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17年冬期日本発航空座席は108万席超に

2018年2月26日 8:00 AM

写真提供/関西エアポート

本誌がこのほど実施した2017年冬期の日本発航空座席調査で、国際定期旅客便の1週間当たりの提供座席数はさらに増加して108万席を超えた。新たに乗り入れる航空会社も増え、今調査時点では88社を数えた。

 17年冬期の週間提供座席数は、前年同期比5.8%増の108万2435席となった。夏期・冬期ベースで見た伸び率は、16年冬期、17年夏期に続いて3期連続の1桁台ではあるものの、座席数の実数は13年夏期から10期連続で過去記録を更新し、一本調子で増加している。

 路線別では、トップシェアのアジア線が4.0%増となり、16年夏期を5455席上回って過去最高を記録した。2位の中国線は1.7%増と引き続き前年同期を上回っているが、14年冬期から17年夏期まで6期続いた最高記録更新は途切れ、今期は過去2番目の記録にとどまった。これに対して高い伸びを持続しているのが韓国線。18.2%増と伸び率は15年夏期から6期連続の2桁で、過去最高の座席数を記録するとともに、路線別シェアで初めて20%を超えて20.8%となった。

 4位の太平洋線は4.8%増と、16年冬期からの2期連続マイナスから、今期はプラスに転じた。5位の欧州(ノンストップ)線は、テロ事件のマイナスイメージなどから需要が伸び悩んでいたが、今期は3.1%増となり、14年冬期以来6期ぶりにプラスに転じた。また、ハワイ線とオセアニア線は共に5期連続のプラスだが、オセアニア線の伸びがこのところ目立っており、今期は11.8%増と2桁の伸びとなっている。

 今調査期間(17年11月6~12日)における乗り入れ航空会社数は88社。16年冬期比で5社増、17年夏期比でも3社増と増加を続け、間もなく90社を超えそうな勢いにある。

 17年夏期調査時以降の動きとしては、新たにジェットスター・パシフィック(BL)が9月1日から、ベトナム初のローコストキャリア(LCC)として関西空港に就航。シンガポール航空(SQ)子会社のシルクエアー(MI)が10月30日から広島/シンガポール線を開設。11月3日から台湾のファーイースタン航空(FE)が新潟/台北間のチャーター便を定期便化し、それぞれ日本に乗り入れた。また、エジプト航空(MS)が10月29日から、13年7月以来運休していた成田/カイロ線の運航を再開し、日本の空に再びお目見え。一方、例年どおりウズベキスタン航空(HY)が冬期は運休している。

 LCC21社による提供座席数は23.3%増の24万8222席と2桁の伸びを継続。シェアは3.2ポイント増の22.9%となり、冬期としては初めて20%を超えた。ちなみに17年夏期は21.8%で、この時点から20%を超えている。

成田がプラスに転じる

 空港別では、成田空港で新規就航や増便が堅調で4.0%増となり、17年夏期調査時のマイナスから再びプラスに転じた。羽田も堅調ながら伸び率は3期連続の1桁台と落ち着きを見せている。一方、関西は新規就航・増便等に勢いがあり、3期ぶりの2桁増となった。また、新千歳も引き続き2桁増だが、那覇は11年冬期から12期連続だった2桁増が、今期は1桁台の伸びにとどまった。

 航空会社のトップ10では、全日空(NH)が15年冬期から5期連続で1位に。2位の日本航空(JL)、3位の大韓航空(KE)、4位のチャイナエアライン(CI)までは変わらないが、5位のキャセイパシフィック航空(CX)と6位の中国東方航空(MU)は17年夏期とは順位が再び入れ替わった。7位のアシアナ航空(OZ)、8位のユナイテッド航空(UA)は変わらず。一方、9位には、17年夏期で12位だったタイ国際航空(TG)が躍進。10位は順位を1つ下げた中国国際航空(CA)となった。